12月31日は 日系人の母 シスター・テレジア海野(=海野常世さん)の命日です。
毎年 大晦日には バギオ市周辺の日系人の皆さんが シスター海野を偲ぶ 大切な日になっています。
シスター海野は、上記にあるとおり、戦後様々な苦難を強いられていた ルソン島北部山岳地帯に隠れ住む日系人を尋ね歩き、1972年に 日系人の皆さんが集う 北ルソン比日友交協会(Filipino-Japanese Friendship Association of Northern Luzon, Inc.) を設立し、日系人の皆さんの声に耳を傾けられました。
(「友好協会」ではなく、「友交協会」が正しい表記になっています。)
そして、その後 1987年には 日本の様々な団体・個人の協力を得て、 北ルソン比日基金(Filipino-Japanese Foundation of Northern Luzon, Inc.)を創設し、特に日系人子弟への教育支援などを重点的に実施されています。
この北部ルソン島における日本人移民の歴史は 1903年ー1905年の ケノン・ロード(当時はベンゲット道)の建設工事に始まりました。
そして、道路の完成の後には 高原都市バギオの建設に大きな力を発揮することになりました。
シスター海野は その功績により、昭和五十九年に 勲六等宝冠章を授与されました。
現在の北ルソン比日基金の理事長であるカルロス寺岡氏は 2016年の天皇皇后両陛下のフィリピン訪問に際し、皇太子・皇太子妃時代のバギオ市訪問以来のフィリピン訪問を心から歓迎し、親しくお話をされました。
シスター海野の活動は、戦没者の遺骨収集にも及び、現在でも遺族会などによる慰霊の式典が開かれています。
毎年7月から8月にかけて開催されている「日比友好月間」には、慰霊祭とともに、様々な文化交流活動が実施されています。
2017年に実施された文化交流活動の中では、国際エンゼル協会などによる「着物ショー」が特筆すべきものとなりました。
また、バギオ基金(Baguio Scholarship Foundation)は、日本のロータリークラブの有志によって組織された団体で、毎年奨学生との交流が継続され、2016年には35周年の式典が東京で開催されました。
では、2017年12月31日に シスター海野記念会館で開催された 28回忌法要の様子をご覧ください。
会場いっぱいの日系人会メンバーや奨学生たちが お祈りを捧げます。
「シスター海野をいつまでも忘れない・・・」
4つのキャンドルに ひとつひとつの祈りを込めて 点灯式が続きます。
そして、 シスター海野への感謝が述べられました。
続いて お花とお線香を捧げます。
日系二世の皆さんに続き、三世、四世、そして奨学生の若い皆さんが続きました。
副理事長ロカノ氏の挨拶。
最後は アメージング・グレースの歌を全員で歌いました。
北ルソン日本人会からは 代表と副代表の二名が参加させていただきました。
アボンの理事の皆様、スタッフの皆様、メンバーの皆様、
今年は大変お世話になりました。
来年も どうぞ 宜しくお願い申し上げます。
皆々様、 良いお年をお迎え下さい。
北ルソン日本人会一同