7月1日千秋楽-内田春菊作・吉田智久演出「エバーさんに続け!」


マニラのフィリピン国立劇場CCPで絶賛上演中の日比合作演劇「エバーさんに続け!」が いよいよ本日7月1日午後8時 千秋楽を迎えます。

フィリピン人看護師が唯一人合格した日本の看護師国家試験。
その合格率1%の難関を突破したエバーさんに続けと奮闘するフィリピン人看護師たちの日々を描くドタバタ・コメディー。

作:内田春菊
演出: 吉田智久

尚、上演は日本語字幕付きです。
もっと詳しくは こちらのサイトでとうぞ。


その演出家・吉田智久さんから、出場俳優のプロフィールと千秋楽への意気込みをいただきました。

以下は吉田智久さんの報告です:

2010,06,30
現在フィリピン国立劇場で開催中の短編演劇フェスティバルで、私が演出している「Sundan natin si Eve-san! (邦題: エバーさんに続け!)」(作:内田春菊) がいよいよ明日、千秋楽を迎える。なんと、先週の初日2公演はチケットが売り切れる大入り! 千秋楽は少しだけチケット余っており今ならまだ間に合うので、マニラへ来ることが出来る方に是非ご宣伝を!

千秋楽公演:7月1日 (木) 8pm~CCP内スタジオシアターBatuteにて! 

今回は芸達者の俳優に恵まれた。というか全員が全員、芸達者なのだ。これは考えてみると初めてである。私は割と「ベテラン・中堅そして若手」、言い換えれば「器用・不器用に2枚目3枚目」と色んなタイプの俳優を混ぜてきたのだなと改めて思う。キャスティングは役への適正よりチーム作りの観点からする傾向が強い私としては当然ともいえるが、今回全て中堅どころ以上の芸達者に固まったのは当初予定していた俳優のキャンセルが出たことに依る偶然。私の意識より、スケジュールと出会いのタイミングが生んだ奇跡である。ともあれ今回は随分大人のチームを率いたなーと千秋楽を迎えて感じている。

私の言葉でどこまで皆様に伝わるのか甚だ疑問ではあるが、今日はその芸達者な俳優たちを紹介してみたいと思う。レディーファーストで……

・看護師「ジョイ」=カット・ロシート(写真1の右から2人目)……フィリピン国立劇場(CCP)の付属劇団(Tanghalang Pilipino)の現役メンバー。私の作品へは今回が初出演。でも実は一昨年から目をつけていて、2年越しのラブコールが実った形。物静かなたたずまいからくる演技にはしっとりした色気がある。今回の役柄では、後二人の個性の強い看護師に振り回されつつも、患者には人一倍やさしく、また秋永先生には熱い視線を送る「静のヒロイン像」を築きあげてくれた。
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(写真1: 稽古風景、撮影:吉田氏)

・看護師「リガヤ」=マイレス・カナピ(写真1の一番左)……以前から私の演出作にはほぼ出演(私のメジャープロダクション9作のうち6作に主演)してくれている。今やマニラではNo.1売れっ子舞台女優。毎年フェスティバルでは10人近いディレクターから出演以来が殺到するが、2作しか出演できない(そういうフェスティバルのルール)内の一つは私の作品に出てくれる。どんな役でも平気でこなすプロ中のプロだが、私の作品では彼女のエネルギーを爆発させるようなダイナミックな演技をしてもらうことが多い。今回の明るい役柄ももちろんエネルギッシュに演じきって作品を引っ張ってくれた。

・看護師「チェ」=ピーウィー・オハラ(写真1の一番右)……テレビ・映画でも活躍する「意地悪おばさん」的なコメディが得意なベテラン女優。3年前のこのフェスティバルで私の作品「洗濯テロリスト」に主演してもらっており、今回が2回目のお仕事。今回もはまり役ではあるとはいえ、台本にある以上に皮肉屋さんを作り上げ、看護師仲間・秋永先生・老患者と共演者全員に食って掛かかり、体を張った演技で観客の爆笑を奪っていく姿には脱帽。でも実際は常にみんなに気を配ってくれるやさしいお母さん。

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(写真2: 稽古風景、 撮影:吉田氏)

・教育担当医「秋永」=ランディー・ビリャラマ(写真2の右)……CCP付属劇団TPでのブレイクをきっかけに舞台のみならずTVでも活躍が目立つようになった中堅俳優。私が舞台監督をした2006年のTPの作品「バケレッタ」(作/演出:鄭義信)に出演していた。演出-俳優としての仕事は初めて。少々不器用なところはあるが、非常に真面目な性格であること知っており大役を任せたが想像以上にやりきってくれた。もちろん日本語の発音などは付け焼刃だが、フィリピン人観客には日本人キャラクターであることを十分納得させる力のこもった演技を披露してくれた。

・老患者「日本太郎」=ジェリー・オハラ(写真1の右から3人目、写真2の左)……大ベテラン。彼の兄である有名映画監督マリオ・オハラを支える技術スタッフとしてキャリアが長かったが、若き日にPETA(フィリピン教育演劇協会)で鍛えた演技で、12年ほど前より俳優としても映画を中心に活躍。彼の妻であるピーウィーや、息子のパオロ(以前私の作品に主演)から私のうわさを聞いて是非出演したいとスケジュールを無理やりこじつけて参加して下さり、今回初めてのご一緒。ボケ老人を可愛く可笑しくすごい存在感で演じてくれたことも圧巻だが、それが繊細なリアクションの積み重ねで構成されていることはフェスティバルディレクターらプロの目も唸らせた。

写真載ってない俳優たち
・下着姿の男=クローム・コシオ……テレビを中心に活躍する芸達者の中堅。マイムなども得意とし、声や体を自在に操って演技する。少ない出番ながら稽古から日々新しいアイデアを出し続け、本番はサプライズまで用意して登場し、役の存在感をしっかり残してくれた。
・師長さん=チェリール・ラモス……国立フィリピン大学の劇団(Dulaang UP)でメイン女優をしていたこともある有名人。当初は登場予定のなかった役を、この芝居にどうしても出たいと道場破りの如く勝手にシーンを作り稽古に入り込んで来てくれた。嬉しい誤算。


明日は最後の45分間をこのメンバーと楽しみます。




以上。
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by janlbaguio | 2010-07-01 08:41 | AJISAI 文化交流 network
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